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瀬川 智臣; 深澤 智典*; Huang, A.-N.*; 山田 美一; 鈴木 政浩; 福井 国博*
Chemical Engineering Science, 153, p.108 - 116, 2016/10
被引用回数:7 パーセンタイル:26.31(Engineering, Chemical)使用済み燃料の再処理工程において、マイクロ波加熱直接脱硝法による硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物粉末(MOX原料粉末)への転換が行われている。金属硝酸塩水溶液の脱硝により生成される酸化物粉末の形態に対する加熱法の影響を明らかにするため、脱硝によりCu(NO)・3HO水溶液から生成された酸化銅粉末の形態に対する加熱法の影響について研究を行った。得られた粉末の中位径は加熱法に関らず、加熱速度が増加するにつれて減少することが明らかとなった。マイクロ波加熱法は顕著に粒子径が減少し、粒子の形状及び表面の不規則性が増大した。一方、マイクロ波と電気ヒータのハイブリッド加熱法では、最も表面が滑らかで球形の粒子が得られた。また、ハイブリッド加熱法では、マイクロ波加熱よりもシャープな粒子径分布を得られることが明らかとなった。数値シミュレーションにより、ハイブリッド加熱法では、より低いマイクロ波出力で全体を均一に加熱できることが明らかとなった。さらに、加熱法に起因する粉末の形態特性に対し、シミュレーションによるバルクの温度分布とマイクロ波照射により誘起されるCuO粒子で局所的に発生するホットスポットの相違に基づく考察を行った。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 有満 直樹*; 吉田 英人*; 福井 国博*
Advanced Powder Technology, 26(3), p.983 - 990, 2015/05
被引用回数:8 パーセンタイル:27.64(Engineering, Chemical)使用済み燃料の再処理工程において、マイクロ波加熱直接脱硝法による硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物粉末(MOX原料粉末)への転換が行われている。マイクロ波加熱法に対する酸化物添加法と断熱材の効果を明らかにするため、マイクロ波加熱法による硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO)・6HO)の水溶液の脱硝について研究を行った。Ni(NO)・6HO水溶液はマイクロ波吸収性が低く、マイクロ波照射により300C以上に昇温することができず、脱硝生成物(NiO)の最終生成物をこれまで得ることができなかった。そのため、コンタミネーションを伴わない新たなNiOの合成法として、マイクロ波アクセプターとしてNiO粉末を添加する手法を開発した。さらに、反応容器周辺に断熱材を設置することにより試料温度の均一性が向上し、NiOへの脱硝率を大幅に改善することができた。数値シミュレーションにおいて断熱材を設置した場合の電界分布は顕著に変化し、温度分布の不均一性が低下することが明らかとなった。シミュレーションによる温度分布を基に算出したNiOへの脱硝率は、実験結果と概ね一致する傾向にあることを確認した。
福井 国博*; 井川 友介*; 有満 直樹*; 鈴木 政浩; 瀬川 智臣; 藤井 寛一*; 山本 徹也*; 吉田 英人*
Chemical Engineering Journal, 211-212, p.1 - 8, 2012/11
被引用回数:13 パーセンタイル:41.01(Engineering, Environmental)核燃料サイクルにおいて使用済み核燃料を硝酸で溶解し、マイクロ波加熱脱硝法により混合酸化物(MOX)原料粉末に転換している。マイクロ波加熱脱硝特性の異なる複数の硝酸金属溶液からの金属酸化物粉末の生成プロセスについて明らかにするために、硝酸ニッケル水溶液と硝酸銅水溶液を用いたマイクロ波加熱脱硝特性の研究及び数値シミュレーションによる温度分布の解析を行った。マイクロ波加熱脱硝法により、硝酸銅水溶液から酸化銅を容易に得ることができる一方、硝酸ニッケル水溶液は270C以上に加熱することができなかった。マイクロ波加熱による脱硝反応過程は、外部加熱によるものと同じ過程をとることが確認でき、マイクロ波加熱により脱硝を行う上では、中間生成物と酸化物のマイクロ波吸収性だけでなく、中間生成物から酸化物に転換する温度が重要であることが示された。また、シミュレーションにより、反応容器内において中心部で最高温度となる半径方向に不均一な温度分布を形成することが明らかとなり、中心部から酸化物の生成が進行すると考えられる。
瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 土田 隼久*; 藤原 広太*; 金子 暁子*; 阿部 豊*
no journal, ,
簡素化ペレット法による燃料製造技術として、各要素技術開発および実証に向けた取り組みを進めている。従来の平皿容器に比べて高速・大容量が期待される円筒容器では、突沸による吹き零れ現象が発生し、装置設計の最適化等が求められることから、マイクロ波加熱時の突沸及び噴き零れのメカニズム解明、高損失性溶液のマイクロ波加熱特性に係る研究を進めている。本発表では、要素技術開発の進捗および再処理溶液の模擬物質を用いたマイクロ波加熱試験結果について報告する。マイクロ波加熱試験において、蒸留水では下端部から中心軸付近にかけて誘電損失が大きくなり、内部加熱される傾向にあり、中心部から上方向への大きな速度ベクトルを伴い全体を循環する強い対流が形成されることを確認した。一方、再処理溶液と同等の誘電損失率を有する濃度10mass%の塩化カリウム水溶液においては、外周部が加熱されており、大きな対流が生じにくいことから、加熱が不均一になりやすい可能性を示唆する結果が得られた。